テクノロジー

技術革新–

CMOSを基盤とする高密度微小電極アレイ技術

神経細胞の電気活動記録を可能にする技術は神経科学の研究分野において無数の可能性を創り出しました。

細胞外の記録は、網膜神経節細胞や心筋細胞などの起電性細胞の働きを研究する上で要となる細胞の電気活動の測定に利用されます。

微小電極及び記録技術は神経細胞において生じる電気信号を細胞膜を貫通することなく保存するために開発されました。

微小電極アレイ(MEA)の開発は広範囲に及ぶ細胞集団全体の電気信号の記録を容易にしました。

多電極アレイ(もしくは微小電極アレイ)では電極アレイが広範囲に配置され、多数の細胞の電気活動を同時に記録することができます。微小電極アレイは生体内に埋め込むことができ、また生体外での細胞培養及び組織のプレパレーションに利用することができます。

高密度記録システムの必要性

これまでの課題

一般的な微小電極アレイでは集団活動の平均を測定しますが、その際プレパラートの大部分の細胞のサインを逃してしまっていました。

HD-MEA 技術による克服

高密度微小電極アレイは細胞レベル下の解像度で個々の細胞活動へのアクセスを可能にします。

MaxWell Biosystemsでは生体外での電気活動を記録するために、進化した高解像度のMEAプラットフォームを設計しています。

MaxWell Biosystems は特に生体外での研究のために設計された高密度微小電極アレイのチップを提供します。

CMOS技術を用いることで増幅回路のサイズを著しく減少させ、1平方ミリメートルごとに電気回路構成要素と数千もの電極を同じチップ上にまとめることができます。このことによって細胞レベルの(もしくは細胞下レベルの)解像度を必要とする実験を行うことができるのです。

スイッチマトリックスを用いることで最適な電極利用とシグナル増幅を可能にし、並外れたシグナル・ノイズ比と高密度の電極を同時に創り出すことに成功しました。

Maxwell BIosystemsはカスタマイズされた記録ユニットと専用のソフトウェアをひとつのパッケージとし、他には類をみない特徴を持つ進化した生体外での電気生理プラットフォームを提供します。

  • 高精度の研究開発分野で必要とされる解像度レベル
  • 最高質のシグナル
  • フレキシブルな電極配置、記録及び刺激のオプション
  • 生体外や培養組織内での観察など全ての生物学的なプレパレーションに対応する培養システム
  • 長期の測定に適したコンパクトなセットアップ
オリジナルの論文を読む MaxWellの微小電気アレイ技術について

MaxOne システム —

生体外アプリケーションのための高解像度の電気生理学

MaxOne MEA ウェル

  • 細胞外電気生理学のための培養皿
  • 実験のデザインをフレキシブルにする多様なリングサイズ
  • 長期培養のための生物的適合性

MaxOne 記録ユニット

  • イーサネットを通じて記録コンピュータとの相互作用を可能にするコントロースシステムとデータ集録
  • 実験室のスペースを考慮したコンパクトなレイアウト
  • 実験をさらにフレキシブルにする拡張モジュール

MaxLab Live ソフトウェア*

  1. カスタムソフトウェア一式:
    1) 電極の配置と刺激パターン
    2) 記録モード
    3) データ集録パラメータ
    4) 実験後のデータ解析
  2. 3つのカスタム記録モジュールとデータ解析ツールボックス

*以上はMaxLab Live Fullにおけるスタンダード

お問い合わせ さらに詳しく

HD-MEAプラットフォームにおける革新的な電気回路の構成及びソフトウェアデザインは生物学の実験に実に適しています。

ネットワークの個々の細胞

26,400個の電極
4 mm × 2 mmのセンサーエリア
17.5 ミクロンの電極ピッチ

フレキシブルな刺激

32個の刺激ユニット
電圧電流モード
個々の細胞の解像度

データ解析ツール

プレプロセッシング
可視化
統計とレポート

パンフレットのダウンロード

システムの仕組み —

実験からすぐに役立つ結果へ

  1. 脳、網膜または心臓などの一次組織から細胞を採取する。
  2. 実験の準備が整えばMaxWell Biosystems のMEAチップ上で細胞培養を始める。
  3. 実験後MaxLab Live ソフトウェアを用い、コンピュータで結果記録とデータ分析する。
  4. 実験結果をさらなる実験の指標や科学的事実の究明、またデータの発表などに利用する。

質の良いデータですぐに役立つ研究結果を。 

 

マルチスケールな記録と分析 —

1. 高解像度、ラベルフリーな細胞活動イメージング

個々のニューロンの軸索側枝など細胞内の活動を分析

神経突起において観察される電気信号により新しいパラメーターを研究することができます。軸索内の活動電位を高解像度で観察することで活動電位の伝播の速度変化を捉えることができます。
軸索内の活動電位の伝播速度を高解像度で観察

2. 標本全体の活動図

MEA上の活動細胞の位置を特定

初代皮質細胞培養の可視的な構造を10倍の正立顕微鏡を使ってイメージングしています。細胞を視覚化するためにMAP2ステインを使用。可視光線を用いたイメージとMaxOneを用いて得られる電気的イメージとぴったりと一致しています。電気的イメージはスパイク率や振幅などの細胞活動の情報と共に細胞の位置を示します。

3. 巧みな個体群の記録

長期的な記録とさらなる分析のための細胞を特定

様々なパラメータの組み合わせによりスパイク率や振幅など、記録される特定の細胞グループを自動的に選択することができます。1024個もの電極を用いることで、スパイク列によってネットワークの活動のダイナミクスが確認できます。バーストの状態を詳しく観察することができます。

応用 —

新薬の開発、神経科学, 幹細胞や安全な薬理学の分野をさらに深める

網膜
  • 個々の網膜神経節細胞の型の特定
  • 網膜神経節細胞のモザイクを記録
  • 網膜神経節細胞の形質の特徴をラベルフリーで分析
脳切片
  • 特定の解剖上および機能上の範囲の特定
  • 個々の細胞活動を隔離
  • 高解像度で振幅と波動伝播を観察
神経回路網
  • 標本全体ですべての活動細胞の位置を特定
  • ネットワークの連結性を抽出するための個体群の活動の記録
  • 軸索の活動電位伝播を観察
心筋細胞
  • 鼓動と波動伝播の可視化
  • 胚芽期の組織と心臓細胞の区別
  • 薬の効果の特定
iPS細胞
  • 発生中の神経の微小な信号(活動電位)を検出
  • ネットワークの発達を長期にわたり観察
  • 疾患モデルの機能的形質の特徴を突き止める

 

科学的な裏付け —

名高い学術誌に掲載された数々の論文

  • 25以上の論文が名高い学術誌に掲載されています。
  • 論文は高密度微小電極アレイ技術から神経回路網の記録、心筋細胞の研究、網膜細胞、脳切片そして神経細胞の範囲に及びます。

K. Yonehara, M. Fiscella, J. Müller, et al, “Congenital nystagmus gene FRMD7 is necessary for establishing a neuronal circuit asymmetry for direction selectivity,” Neuron, 89(1), pp. 177-193, 2016.

J. Müller, U. Frey, et al., “High-resolution CMOS MEA platform to study neurons at subcellular, cellular, and network levels,” Lab Chip, vol. 15, no. 13, pp. 2767–2780, May 2015.

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ハイスループットな性能について–

MaxTwo マルチウェル HD-MEA システム

MaxTwoの紹介

 

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